カフェーで働く恥ずかしがり屋の少女、ユキ。何の変哲もない毎日を過ごしていたユキだったが、その日常はたった一人の女性が店の扉を開けた瞬間に崩れ去る。 お客の正体はユキが憧れる女流作家の東紅子(あずまべにこ)。ユキを見た彼女はユキを恋愛小説のモデルにしたいと言いはじめ、見つめ合った二人の時は止まり、そして恐ろしいスピードでユキを飲み込んで動き出した。恋なんてしたことない。だけど、あの人が他の人と話すだけでどうしようもなく胸が苦しい――。 憧れの人に翻弄され、恋に落ちていく少女の物語。