悪質な怪異を退治する一族の娘・明彩(めい)。明彩は名家に生まれながら退魔の力を持たず、家族からも一族からも虐げられてきた。一方、家族に大切にされ傲慢に振る舞う弟は、儀式の最中に禁忌を荒らし、異界の王・涼牙(りょうが)を呼び起こしてしまう。そして同行していた明彩はその場に置き去りにされ――。美しくも恐ろしい鬼に、震えあがる明彩だったが、涼牙に思いがけない言葉をかけられる……。